文化・教育
人格者などという言葉を、今の小中学生のどの程度が知っているだろうか。 また、青年たちの誰もが知っているのだろうか。 教育の場でも、ほとんど使わない言葉になっているのだろうか。 ましてや仁者などという言葉は、さらに知らないのではなかろうか。 も…
近頃の教え方としては、赤子の手を引くように教えることが、教える者に求められるようである。 そんなことでは、教えられる者としては育っても、学ぶ者としては育つまい。 挙句の果てには、赤子のままに育ち、与えてくれないのなら死んで訴えてやるなどとい…
「戦後民主主義が立脚している人命尊重のヒューマニズムは、ひたすら肉体の安全無事を主張して、魂や精神の生死を問わない」(三島由紀夫) こうした流れの中での教育の結果の一つの象徴を、私たちは今日、日々に見ているのかもしれない。しかし、それはすで…
宇宙飛行士が、地球に国境はありませんと言った。 もし、政治家がこんなことを叫んだら、「なにを能天気なことを!」ということになるでしょう。 もし、こういう人を政治家として選んだり、さらにはこういう人に国の舵取りを託してのんきに構えている人々が…
「良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。人生は短く、時間には限りがあるからである」(ショーペンハウエル) いかに多くの悪書を読むべく、教えられてきたことか。 そして、教えられてきた者が、また、若い人たちにそれを教えている。 「悪書は…
教育の仕方にもいろいろある。そして、教育の仕方によって、育てられる人間は変わる。 現在では、9割ほどが12年の教育を受け、さらにその5割は延べ14年以上、なかには18年以上の教育を受ける者も増えている。 しかし、いくら長年月の教育を受けたか…
3人の方が署名をなさいました。 そのうちのお一人が、後に自らの署名を評して、子どものようと、まさに子どものように申されました。 きわめて象徴的な出来事でした。 キケロは、 人はむしろ不学、学ばざるにしかず、 と申したそうです。
人を導くものには、威厳というものがなくてはならない。 近頃は(というほど近頃ではないだろうが)、先生が子どもに馬鹿にされているようなことがある。 子どもも少し大きくなると、多少は常識を備えるから、そうそうあからさまに教師を馬鹿にすることも少…
子育て支援のうちには、乳幼児の社会的保育や学童児の社会的養育の保障推進という方向がある。 これは、男女共同参画施策とも深く関わっている。(もちろん、陰には少子化対策がある。今ではすでに陰でもなくなってきているが。) これら子育て支援とか男女…
人間が、社会的に生きる人間になるためには、日常生活動作や生活習慣というものを身につけていかなければならない。 また、社会的に生きる人間を育てることのできる人間になるためにも、これらを身につけていなければならない。 あるいは、これらの重要性を…
多くの人たちは、西洋、欧米、あるいは西洋系、欧米系の人たちが言った話に惹かれるようです。 特に研究者たちというか、専門家というか、知識階層の人たちというか、そういう人たちがそうです。 あるいは、大抵の人たちがそうであって、そういう人たちのな…
人間の教育というのは徳性の涵養にあるといえますが、これは学校の授業でいえば、道徳を学ぶということになるでしょう。 とすると、人間の教育にとっては、この道徳の時間で教えること、学ぶことこそ大切になるでしょう。 しかし、これがどのように教えられ…
すべての子どもの心のなかに生きるよろこびを創造するところにこそ、教育の本質がある。 これは、教育というものを深く考える人から出てくる言葉だと思います。 教育は、次第しだいに、そのような方向へと向かいつつあるのでしょうか。 それとも、そうではな…
マイノリティとして意識する人たちの話を聞いていると、自分たちはなにか自分たちに敵対的な圧倒的な勢力に取り巻かれているっていうような、強迫観念的な被害者意識をかもしだすというか(参考:丸山真男『日本の思想』)、そんな思いで話をしていると思え…
「人間は教育によってはじめて人間になる」という言葉がある。 確かにそうである。教育がなければ、人間は言葉も文字も覚えない。文化の継承も創造もない。よりよい社会づくりも為しえない。 それほど教育は大切なのだ。 教育がしっかりしていなければ、しっ…
お祓(はら)いというのがありますね。 そして、 何が正しいかは天が知っている、 何が正しいかは己(おのれ)自身が知っている、 という考えがあります。 お祓いというのは、 天が知る正しさや、己が知る正しさを曇らせているものを払(はら)い、その正し…
管理を厳しくすると、人の正しい行為は少なくなっていきます。 何が正しいかの判断を、自身のうちに問うのではなく、管理のうちに問うことになるからです。
俗に「オタク」と呼ばれる若者のなかには、将来、大いに社会的に期待できる人たちがいるのだろう。 もっとも、単に遊びに興じているというのではつまらないが・・・。 いずれにしても、若い人たちは、自分がおもしろいと思うものを大切にすることだ。それが…
「民はこれをよらしむべし、知らしむべからず」(論語・泰伯編10) 横柄、傲慢な政治家・官僚は民衆はどうせ説明してもわからんのだから、説明すればややこしくなるばかりだから、細かい話、細かい情報は提供しなくてもよいと考える。 また、平等論というイ…
「かつて大宅壮一さんが、 テレビによって日本人は「一億総白痴化」すると警告した、 その通りの状態になりかけてやしませんか。 ・・・ワアワア、ゲラゲラ、人気タレントの馬鹿笑いばかり聞こえてくる。 自分たちだけで面白がって大声をあげて騒いでいるよ…
マニュアル化社会で生きる知恵にはどのようなものがあるだろう。 諸々の要求をする場合に、 ここにこのように書いているではないか、という言い方がある。 あるいは、 どこにそのようなことが書いてあるか、という言い方がある。 また、 ここにこう書いてあ…
日本文化は次々に外国の文化をそのまま採り入れて自分がまた変わっていくところに特長をもち、種々な文化を綜合していく、そこに日本文化の優秀な所以がある。(西田幾多郎「日本文化の問題」) まさに、そうだろうと思いますね。 であるから、よけいに日本…
自立(自律)ができないのはお前のせいだとか、お前たちのせいだと叫びまわっている者は、 結局、いつになっても、自立も自律も、できはしない。
人権擁護とか人権侵害という言葉がある。 巷の人たちが、これらを知ったような、立派なことを言っている。 あるいは、ご立派そうな大学の先生様たちが、これらについて物知り顔で、いろいろ説明してくれたりする。 そうしたことを聞いた人が、皆、うん、うん…
教育に携わっている友人との会話から、ちょっと・・・ 教育も、最近では、ずいぶん怖いものになってきてる。 何の話かって? どうも書けないんだよね。ちゃんとした日本語の文章が書けないんだよ。 主語がなかったりね。話し言葉がそのまま書かれていたり。 …
親は、子どもの躾をしっかりしなければいけない。 でも、愛情をもってしなければいけない。 昔の言葉でいえば、「慈」、親の子に対する「いつくしみ」からくるものでなければいけません。 でも、「なければならない」と言っても、それは、本当は、親の自然な…
彼は、それが世の人々の声と信じて言った。 「やっぱり横綱は強くなくっちゃあ!」 失礼ながら、 神聖な場で、品格のない人が、品格のない横綱を称えた。 それはまさに、品格のない宰相によって、相撲が格闘技にされた瞬間だった。 もっとも、私の友人などは…
他者や他国の良心(「他国の良心」などというものは存在しませんが有ると思っている人もいるかも知れません)に訴えて、平和な社会が「実現する」と考えてはいけない。 他者や他国の良心に訴えて、人殺しのない世界が「実現する」などと考えてはいけない。 …
学問をすることと研究をすることとは違う、という考え方がある。 そのように考えてみると、 研究者と呼ばれるほとんどの人たちは、学問をしていないことになる。
人間の教育成果が、すべて点数化して測れるとでもいうのだろうか。 そのようなことを考える人間は、点数を取る生き方をしてきた者に違いない。 人間の教育とはそのようなものではないだろうに・・・。 そんなことは子どもだって知っている。 いや、子どもだ…