しつけをする親

親は、子どもの躾をしっかりしなければいけない。

でも、愛情をもってしなければいけない。

昔の言葉でいえば、「慈」、親の子に対する「いつくしみ」からくるものでなければいけません。

でも、「なければならない」と言っても、それは、本当は、親の自然なこころの動きのはずですね。



そこで、こんな話を・・・。


私は、このお子さんを喜んでお宥しします。
なんにも知らないためによくないことをしたのですからね。
けれども、だんなさま、あなたは、このお子さんの過ちをごぞんじのはずだったのに、なぜそういうことをさせてしまったのですか。
あなたがたはご一緒に暮らしているのですから、年長者として、あなたはお子さんのすることに気をくばり、忠告をあたえなければならない。
あなたの経験が権威となってお子さんを導いていかなければならない。
大きくなって、子供のころに行った不正に自責を感じながら、お子さんはきっと、それを注意してくれなかったあなたを責めることでしょうよ。
(ルソー、今野訳『エミール(上)』岩波文庫、304頁)