首相;国の舵取りを託された人

宇宙飛行士が、地球に国境はありませんと言った。

もし、政治家がこんなことを叫んだら、「なにを能天気なことを!」ということになるでしょう。

もし、こういう人を政治家として選んだり、さらにはこういう人に国の舵取りを託してのんきに構えている人々がいるとしたら、やはり、なにを能天気な!という話になるでしょう。

もし、そういうことが言われず、そのままに行われているとすれば、正常な状態の国・国民ではないでしょう。

社会はそんな単純なものでないことは、生活を実感する庶民の誰しもが知るところなのですから。

勉強をして学んだものは社会の現実のものと同じではありません。

そういうことを知らない人たちが知識層に多いのは昔からずっとあることですが、こういう人や人たちに国の舵取りを任せてはいけません。


「社会は複雑であり、薄知恵でわかるようなものでないのは当たり前のことです。」「勉強をしただけの人に社会を任せられないのもまた当然のことです。」「政治を行うには社会を動かすだけの才能と学問の両方を備えなければならない」のです。(吉田和男『日本人の心を育てた陽明学』)

「才知なくして学ある人の政をするは、盲者の昼歩くがごとくにて候」(熊沢蕃山)(吉田和男『日本人の心を育てた陽明学』)