マニュアル化社会で生きる知恵

マニュアル化社会で生きる知恵にはどのようなものがあるだろう。

諸々の要求をする場合に、

ここにこのように書いているではないか、という言い方がある。

あるいは、

どこにそのようなことが書いてあるか、という言い方がある。

また、

ここにこう書いてあるからそうしているのだ、というやり方がある。


マニュアル化社会で育てられた人のなかには、自然とそのような言葉が出てくる者もいる。


近頃は、ニコニコとやり取りしていた者が豹変して、上記のようなことを言い始めたりもする。


老いも若きも、子どもまでもに、そのような輩がいる。


こうなると、

「社会はもう腐っているな」

などという言葉が聞こえてきても、

「まあ、そうだな」

とでも言わねばならなくなる。


しかし、これらも知恵には違いないのだ。

これらの知恵の使用がマニュアル化社会で生きる術としてあることも、人は知らねばならない。

(もっとも、大いに使いましょうなどとは、言いたくもないが。)