2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「人間は教育によってはじめて人間になる」という言葉がある。 確かにそうである。教育がなければ、人間は言葉も文字も覚えない。文化の継承も創造もない。よりよい社会づくりも為しえない。 それほど教育は大切なのだ。 教育がしっかりしていなければ、しっ…
人格を磨き上げようとする者は、頼む者は自分自身であると覚悟しなければならない。 (言志耋録17より) 実は、この文の頭は、 「学に志す士は」だ。 それで、川上正光さんは、「学問に志して」をまず入れて、その後「人格を磨き上げようとする者は」と続け…
日蓮が門下の者にあてた手紙の中に、 「日輪のごとき智者たれども、若死あらば生ける犬に劣る」 という言葉があるそうです。 また、 礒永秀雄さんの詩に、 「ただいま臨終!」 この厳しい覚悟に耐えられずして どこににんげんの勝負があるか というものがあ…
お祓(はら)いというのがありますね。 そして、 何が正しいかは天が知っている、 何が正しいかは己(おのれ)自身が知っている、 という考えがあります。 お祓いというのは、 天が知る正しさや、己が知る正しさを曇らせているものを払(はら)い、その正し…
反省することは大事なのですが、反省ばかりしていてはいけませんね。 当然ですが、人に反省ばかりさせていてもいけません。 過ぎ去ったことはどうしようもありませんが、これからのことは改めようと思えば改めることができます。 論語には、 行く者は諌(い…
管理を厳しくすると、人の正しい行為は少なくなっていきます。 何が正しいかの判断を、自身のうちに問うのではなく、管理のうちに問うことになるからです。
エコ(エコロジー)、つまりは自然に配慮した生き方を叫んでいるが、 大切なことは、 そのために金を使うというよりも、 地道につつましく暮らす生き方を 心がけることである。 消費を煽るというのは、必ずしもエコにつながるものではない。むしろその逆に働…
指示されて、ひたすら指示されたままに動こうとする人間というのは、自分を物化しようとする人間だ。 何も考えずに指示されたままに動けというのは、自分を物化しろと命じているようなものだ。
いのちへの謙虚さがなければ、人はよい生き方はできないだろう。 いのちに対する傲慢さは、自らのいのちを絶つようなことをしたり、人のいのちを断ち切ったりもする。 いのちへの謙虚さは、生きることへの謙虚さだ。 それは、大切に生きることへのつながるし…
心ここに在らざれば、視れども、見えず、聴けども聞こえず、食えどもその味わいを知らず。(『大学』(伝七章)) これは、感情が身体の器官の働きに大きな影響を与えることを言っています。 感情が正しい認識を妨げる。 自分がもつ感情によって、他者や物事…
真理を求める。 本当を求める。 何が真実かを求める。 真実とは何かを求める。 真は何かを求める。 いろいろな言い方ができるでしょうが、人はそれを求めたいのです。 なぜそのような欲求をもつかというと、より良く生きたいからです。 より良く生きたいとい…
周りのことばかりに心を奪われていると、どうなるでしょう。 周りの人の目をあまりに気にしたりすると、どういうことになるでしょう。 周りの人がよいと思うものを、よいと思うようになりますよね。 周りの人が高く評価するものに心が奪われているというのも…
物欲が良心を遮蔽している、という考え方がありますが、 これは、どの人にも良心が本来備わっている、と考えているのです。 そして、さまざまに生じてくる欲が、もともと備わっている良心を曇らせている、と考えるのです。 神道では、穢(けが)れを祓(はら…
山は高いといって誇らない。 花は美しいといって誇らない。 鳥は好い声で鳴いても自慢しない。 太陽は朝から晩まで照らしてくれるが、べつに恩にきせるわけでない。 これが天地の道理だ。 そして、その天地の道理は人にも働いている。 (cf.佐藤一斎、川上正…
人のために何かをする、あるいは何かをしようとする、あるいは何かをしたいという人がたくさんいます。 しかし、本当は、自分のためなのです。 ですから、人のためにと始めた人は、それを続けるうちに、それが自分のためであることを知ることになります。 人…
分別心がなければ、社会生活をうまくやっていけません。 しかし、分別心がありすぎるというのもいけません。 分別心がありすぎると、かたくるしい、融通の利かない人間になってしまいます。 これではやはり、社会生活はうまくやれないでしょう。
周りに適応させるために自分を変えていくということがある。 あるいは、期待に応えるために、自分を変えていくということがある。 その多くは、無意識的に行われるから、自分でもその変えようの大きさがどれほどのものか、どの程度のものか、なかなかわかり…
忠という字は、中にこころ(心)と書きます。 これを、心のなかを満たすと説明をする人がいます。 心のなかを満たす。つまり充実させる。それは、誠実な姿だといいます。 私たちは、ともすると封建時代における忠、すなわち主君への、現在で言えば上の者への…