2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

本当のものを見る

ものや人を比較して、 評価しつつ見る心がないとき、 私たちは「あるがままのもの」を見、 知ることができます。 ものや人を比較するとは、外物を基準にするということです。 比較して評価するとは、比べて良し悪しを判断するということです。 本当のものを…

人生を漂わせる自分がある

ただ、 猫の眼の如く移り変わる風俗習慣の流れの中に萍(うきくさ)のように漂うて、 新を真と心得ている者は浅露(せんろ)である。 達人は万古(ばんこ)の心を思う。 (安岡正篤『ますらをの道』、宮本武蔵「独行道」解説。) これは、いつの時代にもある…

仕事は後からついてくる

これは、自信をもって言えることではないのですが・・・ 仕事は後からついてくる・・・ これは、10代や20代の若い時に言えることなのかもしれません。 でも、きっと本当は、生涯にわたって言えることなのだろうとも思っています。 若い人に、どういう職…

清い心、欲得に汚されない心

清廉とは、心が清らかで利益を求める気持ちがないことと説明される。 しかし、心は本来清らかなものだと考える人であれば、欲得によって心が汚されないでいることと説明してもよい。 清廉について、山鹿素行は次のような話を出している。 昔、延陵の季子は他…

雨の日に心静めて

激しい雨はまたそれなりに、静かな雨もまたそれなりに、心の静め方があるのかもしれません。 いずれにしても、自然の姿なのですから。 そしてまた、「私」というものもその自然に抱かれ、また、その自然を抱き生きているのですから。 世味 年来 薄きこと紗に…

家族の情愛について考える

家族の情愛は、家族の絆となります。 家族とは、まずは夫婦、親子、兄弟でありましょう。 世に家族を持つ者、持たぬ者がいますが、ながい人生を考えるとき、持つ者の方が大抵は幸せであろうと思います。 また、人の暮らしとして、そうであるのが当然のことと…

親父(おやじ)たるもの

親父がつまらぬことを苦にしておった日には、家の中は決して治まるものじゃない。 少々伜が悪くても、女房が馬鹿でも、兄弟が惰けものでも、そう苦にせずに、その惰け者の兄弟も、その癖の悪い伜も、少しとんまな女房も、奮い立たざるを得ないように、主人公…

悩みからは逃げられない

人は、変化すべく生きている。 否、生きているものは、変化すべく生きている。 なぜなら、生きているとはそういうものだからだ。 こうも言えるかもしれない。 あらゆるものは、変化のうちにある。 人は、それを知るものである。 特に、己のそういう状況を知…

死の覚悟と生への愛

我々は死を覚悟するが故にこの生を愛する。・・・死の覚悟を死に臨んでの自暴自棄と誤ってはならぬ。死に臨んで捨鉢になるのは肉欲の外無き俗心の狂乱である。(安岡正篤『日本精神の研究』) 覚悟というのは、言葉で解するものではない。 死の覚悟とは、本…

学ぶことの目的

学ぶことの目的、 これは、勉強することの目的、と言ってもよいのですけど、 こう言うと、学校で勉強をする目的みたいになってしまうから、ちょっと困ってしまいます。 あるいは、誰かに教えてもらって勉強することの、その目的のように思えてしまうかもしれ…

無欲の欲を考える

無欲という言葉がある。 簡単にいうと、欲をなくせ、自身のうちにある欲を消せ、ということになるのだろう。 しかし、本当に自分の中にある欲をすべて消したらどうなるだろう。 いやいや、そんなことはできようがない。 それこそ死ねというようなものだ。 で…

人間の二つの成長側面

昨日、ラジオをつけたとき、どなたかが社会化について話をしていた。 そして、人間の成長を考える上での二つの側面を説明していた。 一つは社会化であり、もう一つは個性化だ。 社会化は、周囲の者の行動をモデルとして、時に応じた環境適応行動を身につけて…

他人の目を気にすることと私欲

有名になりたいか?と問うても、大抵の者は首を横に振る。 ところがそういう人も、他者の目を、しっかり気にして生きている。 他者の目を気にするというのは、他者による自分への評価を気にしているのである。 簡単に言えば、あの人はいい、という評価を気に…

心の豊かさをつくる

私はもう六十歳をすぎたから、出会う自分も六十歳をすぎている。すぎてはいるのだが、六十歳の私のうちに、三歳の自分や、二十歳の自分、四十歳の自分がいるのに驚かされる。(谷川俊太郎『谷川俊太郎の問う言葉答える言葉』) こういうところにも、私たちの…

過去の教育の結果としての現在そして政治

「戦後民主主義が立脚している人命尊重のヒューマニズムは、ひたすら肉体の安全無事を主張して、魂や精神の生死を問わない」(三島由紀夫) こうした流れの中での教育の結果の一つの象徴を、私たちは今日、日々に見ているのかもしれない。しかし、それはすで…

首相;国の舵取りを託された人

宇宙飛行士が、地球に国境はありませんと言った。 もし、政治家がこんなことを叫んだら、「なにを能天気なことを!」ということになるでしょう。 もし、こういう人を政治家として選んだり、さらにはこういう人に国の舵取りを託してのんきに構えている人々が…

人間関係における悪あるいは悪なる人と善良な人

誰しも嫌な人間に出会うことがあります。 人生の過程のなかで、良い人間に出会わないということはありませんが、それ以上に、嫌な人間に出会わない、などということはまずあり得ないことです。 なかには、どうやってこんな人間が生まれてきたのだろうと思っ…