2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧
問題は我れにある。 この我れ、この自己がなければすべてが自己である。 それは、自他不二(ふに)の自己である。 本来の我れは、自・他の差別対立でいう我れではない。 天地と一体・万物と同根の我れである。 平等一如・自他不二の我れである。 この我れが…
人の無作法によって我が身が汚れる思いがするというのは、結構なことです。 それは、その人の心の内にある自然の働きがそうさせているのでしょう。 この場合、狭小な私情による思いと誤認して、自身を責めたり、その思いを塞いだりしてはいけません。 自身の…
わが心身を強くし、 まっすぐな状態にあって、 敵を追いまわし、 飛びのかせ、 うろたえるようにしかけて、 確実に勝利を得ることだけが肝要である。 「心身」とあるのは、実際には「身」である。 「確実に勝利を得る」とは、相手を殺すということです。 「…
悪い人間でない、というだけではだめだ。 如何なる人間たらんとするかの、 その答えをもった、 堅牢なる意志を養っていなければいけない。
臆病の臆という字は、肉月の偏に、意を旁とする字です。 その語義は、あれこれと心のなかで思うことで、胸がつかえる状態をいっています。 そして、そのために他のことに差し障るところが出てくる。従って、これが病であり、臆病といわれる状態となります。 …
困難、苦難によって人間は磨かれる、 などと言うと、 今の時代では、困難によって人間はつぶれていく、などという言葉も出てきそうである。 なるほどとも思う。別にそれはそれでよい。 自身がどう思って生きようが、それはその者次第である。 次の言葉がある…
私たちは、犬やネコ、牛や馬などの禽獣でも死に喘(あえ)いで鳴いていれば、可愛そうで見ていられません。そして、何とかしてやりたいと思うものです。 草木についても、炎天の下に枯れかけになっていれば、可愛そうだと思い、水を与えてやろうとします。 …
個の力は無限に延ばすことができる。個の力を練磨することによって個は個ではなくなる。個は無限の力を備えた個となってゆく。このような個は天地一杯に充満する個となる。哲学者が個即全とか、一即多などというのは頭で考えたざれごとにすぎない。個は身心…
自己本位の私情に妨げられ、物欲の壁に隔てられるため、大きな心も小さくなり、他人に通じていた心も塞がってしまい、各人がそれぞれ別の考えを抱いて共通性を失い、その結果、自分の親子・兄弟を見ることまるで仇敵のようなものさえあるに至った。(伝習録…
善良だが知恵を出さぬ人、 知恵はよく出すが全部悪知恵という人もいる。 現実この世は巧言令色、 一皮むけば裏切りと詐欺と弾圧と利己は依然として存在する。 世のもつ醜悪面を知ってだまされぬよう戒心しつつ、 なお世の持つ明朗の面、すなわち建設的、創造…
自分らしく生きることは大切だ。 しかし、肝に銘じておくべきことがある。 それは、 現実社会で、自分らしさをどう実現させていくかということだ。 (CF.川北義則『「一人の時間」を楽しむ生き方、暮らし方』) 現実社会、現実の社会生活を直視せずに、自分…
静かな所で自らの主体性を養おうとするのは、 それが社会とのかかわりを逃れようという理由からでないのなら、 悪いことではない。 しかし、もし、社会や人とのかかわりが嫌だという気持ちから、 人から離れ、独りを求めようというのであれば、 逆に怠け癖を…
自身と自分以外のもの、自身と自分以外の人との繋がりの心を、 喪失すればするほど、 自分の身に備わっていた礼節は失われていく。 人から礼節が失われていっているならば、それは繋がりが失われていっているということだ。 礼節が失われていくというのは、…
理想は無限です。 そして「私」は、どこまでも「私」です。 「私」の理想は、外にはありません。 「私」の理想を人に探さず、己に探すのです。 理想たる「私」は内部から培われ、そこから出てくるのです。
自然の生意には厳粛な理法がある。 その生意は、 人間の場合にも働いているのに、 人は私意によって、 それを無視しようとする。 自身を小さくしてしまうのは、人自身なのだ。
人(の目)を気にするというのは、 人に謗られたくない、 悪く言われたくないと思う心が働くからだ。 裏を返せば、 よく思われたいという私欲がそこにある。 人に怯えて、己の道を見誤るな。 そこにある私欲に気づけ。
「自分を不幸だと思い込み、不満をつのらせた結果、怠惰や妄想の世界に逃避する」 これは150年ほど前のスマイルズの著書(『自助論』(『西国立志編』))にある言葉だ。 自分を不幸だと思い始めると、怠惰な道を歩き始めるというのもわかる。 自分を不幸だ…
何のために生きるのか、とか、 何のために生きているのか、と考える人がいます。 あるいは、 何のために生きるのか、とか、 何のために生きているのか、と考える時が、人にはあります。 こういうのは、生きる姿勢が衰えている時であろうと思えます。 現に生…
まあ、こういうことを考えるのって、あまりないかもしれませんが、 自分が犬やネコではなく、人間として生まれているってこと、 こんな素敵なことはないのですよね。 まあ、犬やネコや雀や鳩や、そんなものをぼんやりと眺めていて、 あいつらはいいなあ、な…