教育のこと

「人間は教育によってはじめて人間になる」という言葉がある。

確かにそうである。教育がなければ、人間は言葉も文字も覚えない。文化の継承も創造もない。よりよい社会づくりも為しえない。

それほど教育は大切なのだ。


教育がしっかりしていなければ、しっかりとした人間はつくっていけない。

「しっかりとした」とは、ゆらぎが少ないということ、本質をわきまえているということだ。


かつて、平等ということが重視された。

そのことで個々の違いを大切にすること、個々の違いを認め合うことがおろそかにされた嫌いがあった。

次には、個性の尊重が強くいわれるようになってきた。

そのために自己主張ができるようになった。自己主張することが認められるようになった。

(モンスターが生まれてくるのも無理からぬことだ。)

しかし、平等も個性の尊重も、根は同じところにある。


根っこをしっかりと見据えることができていなければ、教育も教育者自身も、すぐにゆれてしまう。

教育の管理者がそうであれば、教育現場はなおのことだろう。

教育に携わる者や教育行政に携わる者たちが、教育の根っこたるものを見ることを大事にできないようでは、つくられる人間も怪しいものとなるだろう。


教育の世界は問われなければならない。

教育が悪ければ、人間も社会もよいものにならないのだ。

それほど教育は大切なのだ。