仕事は後からついてくる

これは、自信をもって言えることではないのですが・・・

仕事は後からついてくる・・・

これは、10代や20代の若い時に言えることなのかもしれません。

でも、きっと本当は、生涯にわたって言えることなのだろうとも思っています。


若い人に、どういう職につきたいかって、聞くのは、あまり良いことのように思えません。

どんなことが好きか、どんなことをやりたいか、そんなふうに聞く方がよいように思えます。


でも、今の社会は、とてもせかされているようで、せいているようで、そんなにのんびりすることを人に許さない感じもあります。


また、当の人間も、一生懸命、自分が本当に求めているものを探そうとする粘り強さをもつ人が、減っているのかもしれません。 いや、これは、わかりません。
もともとそういう人は、いつの時代にも少ないのかもしれません。そのようにも思えます。

ただ、自分を人生に発揮した人の多くに、仕事が後からついてきたという人が多いのではないか、と思えるのです。


そして、こういう人は、ひょっとすると、他の人が思う以上に、苦労した時期をその人生のうちに持っているものです。

でも、なぜ、その人は容易につぶれないか。
それは、自身の内なるものの求めるものを求めようとしているからなのです。

だから、そういう意味で、
仕事は後からついてくる、
という話になるのです。



道心の中に衣食(えじき)有り。衣食の中に道心無し。

道心とは道を求める心です。

自己を発揮しようとする。
そこに自ずと仕事が生まれてくるのです。
(cf.下村澄『人間の倫理』)