人間の二つの成長側面

昨日、ラジオをつけたとき、どなたかが社会化について話をしていた。

そして、人間の成長を考える上での二つの側面を説明していた。

一つは社会化であり、もう一つは個性化だ。

社会化は、周囲の者の行動をモデルとして、時に応じた環境適応行動を身につけていく過程である。だから、社会的適応力を高める過程ともいえる。

一方の個性化は、自分らしさを形成していくことである。

(もちろん、本来これらは区別できるものではなく、あくまで、抽象的概念的なものである。)

しかし、これら二つの成長側面で、人生を貫いて大切なものはいずれかと問えば、人間一人ひとりを考えた時、それは個性化ということになる。(これは、ラジオの解説者の考えと同じである。)

人生の過程で、その前半は社会化が特に注目されるが、人生を貫いて大切なのは「私らしさ」なのである。
社会化の過ぎたるものは非個性化である。
非個性化は、自己が他に支配された生きるかたちである。
それは、生きる主体としての自己を失うものである。

それゆえに、個性化は人生のどの過程にあっても、常に大切にし続けなければならないものなのである。