人の無作法によって

人の無作法によって我が身が汚れる思いがするというのは、結構なことです。

それは、その人の心の内にある自然の働きがそうさせているのでしょう。

この場合、狭小な私情による思いと誤認して、自身を責めたり、その思いを塞いだりしてはいけません。

自身のうちにある素直な心こそを大切にし、自信をもって、しっかりと一層導き出すべきです。

しかし、心を汚すような人を避けるばかりでは、この社会は生きていけないのも事実です。

そのためには、日々に、自身をしっかりとさせている必要があります。


爾(なんじ)は爾を為し、我は我を為す。我が側(かたわら)に袒裼(たんせき)し裸裎(らてい)すといえども、爾いづくんぞ能く我を浼(けが)さんや。(孟子・公孫丑上)