人の汚さも見据えながら

善良だが知恵を出さぬ人、
知恵はよく出すが全部悪知恵という人もいる。
現実この世は巧言令色、
一皮むけば裏切りと詐欺と弾圧と利己は依然として存在する。
世のもつ醜悪面を知ってだまされぬよう戒心しつつ、
なお世の持つ明朗の面、すなわち建設的、創造的、前進的な面に目を向ける精神的強さがなければならないだろう。
(田辺昇一「解説」、邑井操『男は勝たねば面白くない』)

「勝たねば・・・」にもいろいろあるが、それはさておき、社会、世間の現実は確かに甘いもあれば酸っぱいもある。
人の清さにも出会えば、人の醜悪さにも出会う。
裏切りにも出会えば、助けにも出会う。
社会が殺伐となればなるほど、人は利己的となり、人間の悪の面が多く出てくるに違いない。
社会・世間や人のそういう現実をもしっかりと見据えながら、なおかつ、自身を磨いていく。
そういう強さこそが、己を向上させるため、また、己を活かすためには求められる。

そのためには、揺るぎのない信念というものをもっていなければならない。
養っていなければならない。

それは、男であろうが、女であろうが、変わらない。