不幸だと思う

「自分を不幸だと思い込み、不満をつのらせた結果、怠惰や妄想の世界に逃避する」

これは150年ほど前のスマイルズの著書(『自助論』(『西国立志編』))にある言葉だ。

自分を不幸だと思い始めると、怠惰な道を歩き始めるというのもわかる。
自分を不幸だと思い始めると、空想の世界へと入っていき始めるというのもわかる。

スマイルズは、このような状態を病にたとえ、その唯一の治療法は運動し、労働し、肉体を鍛え上げることだという。

汗して働きなさいということでもある。

しかし、肉体労働をしなければならないと、別に限定して考えなくてもよい。

要は、頭を自分の中心にして生きるなということだ。

運動をしろとか肉体でもって労働をしろというのは、空想世界に入るな、怠惰な生活をするな、いちいち自分を不幸だと思うな、そんな状況にあるなら動け、ということでもよいのだ。

自分を不幸に思うのも自分である。
不満をつのらせるのも自分である。
怠惰な生活をするのも自分である。
空想の世界に入るのも自分である。
そして、わが身を動かすのは自分なのだ。