年(歳)をとることと喪失感(歯医者!)

人は、壮年期以降、歳をとることによって死に近づくことを意識させれらることになる。

あるとき、歯が痛いので歯医者に行った。

すると、「アア、この歯はもうだめだなあ。」といって、あっという間に抜かれてしまった。

これが私の最初の喪失体験だ。

喪失には準備心(こころ)があったほうがいい。

特に自己の喪失には是非それが必要だ。

あの歯医者は、私にその準備をさせずに私の歯を抜いてしまった!

彼にしてみれば、誰の「歯」でもない、ただの「歯」に過ぎなかったのだろう。

しかし、あれは、あの「歯」は、私の一部であり、私であったのだ!

そういう歯医者には、たとえ評判がよくても、私は二度と行かない。