夜の世界

夜が また来る 
思い出 つれて♪

このところ、夜になると頭をよぎる古い歌だ。

そして、つげ義春の『夜が摑む』の最後の場面、『外のふくらみ』などの絵がおぼろげな記憶のまま浮かんでくる。

私のなかで何が起こっているのかはともかくとして、
夜は、昼と違う私を呼び起こす。

夜の世界が私に入り込もうとするのか、心のうちにある闇の世界が起き出そうとしているのか。

昔の人は、夜の時間をずっと多く過ごしたろうに、今は、夜が短すぎる。

光を浴びた世界の、そのテンポのままに、眠りにつかねばならない。

内なる世界と対話のできる この夜の時間を
もっと大切に過ごすことができるなら、
もう少しバランスよく生きられるかもしれない。
(ただ、夜が人をくるわせることもあるからなあ。)