仕事への情熱

私の友人、知人のなかに、もう仕事をやめたいと言う人たちがいる。

皆まじめな人たちばかりだ。

若いときには、どの人も仕事に熱情を持っていたに違いないのだが・・・。

話をし、その理由を考えると、

行き着くところは、その仕事が何のためか、誰のためかというところで、あまりにも納得いかない状況になっているということなのだ。

しかし、彼らは仕事をやめるわけにはいかない。なぜなら、やめると生活ができなくなるからだ。

彼らは、かつて喰うために仕事をしていたのではなかったのに、今や喰うために仕事をしなければならなくなったのだ。

彼らにとって、喰うために働くこと、あるいは金を得るためだけに働くことは、彼らの熱情、彼らにとっての働く喜びとは相容れないものなのだ。

人は、「何を贅沢なことを!」と言うかもしれない。

しかし、この社会が、そのような思いで働いている人ばかりであったとしたらどうだろう。それは、一体どんな社会だろうか。

こうした状況は、何も昨日今日に生じたことではない。次第しだいに我々を蝕んできていることなのだ。経済の景気不景気にかかわらず、人間を蝕んできていることなのだ。

愚かしいことだ。