中学の先生のこと

古い友人と久しぶりに会って、酒を飲みながら話をした時のことだ。

話題が教育や教師の話になった。

私は、教育や教師を彼がずいぶん嫌っていることに気づいたので、そのことを問うてみた。

すると、彼は次のような出来事を話した。

中学生の頃、担任の教師が、彼を遅くまで残した。
その理由は、彼が嫌いだったものが給食に出て、それを食べなかったものだから、食べるまで残るように言われ、日が暮れるまで、教室に残された。
やがて、母親が迎えに来て、彼は家に帰った。

彼は、その話を感情をあらわにして私に語った。

彼は、学校も教師も大嫌いだ、と言う。

もう父親である彼が、子供のころの経験がもとでそのように言うのを聞いて、教師という者がいかに心して子供に対峙しなければならないか、と私は考えた。

彼は、当時の私から見るととても頭の切れる仲間だったのだが、また一方で、彼の言っていた教師がそれほどだめ教師だとも思っていなかっただけに、よけいにうなってしまったのだ。

ある意味、熱心な教員だったのだろうが、その行動が彼の人生に大きなマイナスの影響を与えたとしか思えない。そして、彼の子供にも、その影響が及ぶだろう。

せめて、その教師が、あの出来事の後に適切な態度で彼に臨んでいたら、こういうことはなかったのかもしれないのだが・・・。