醜い町

ボランティアで、町の清掃をしている方がいる。

学校のボランティア活動で、町の美化運動に取り組んでいる生徒や学生さんたちがいる。

年に何回か、地方では、地域の自治会で、清掃活動をしているところもある。

町がきれいになる。通りがきれいになる。海岸や川辺、湖岸がきれいになる。

ところがどうだ!

通りには、いろいろな色の広告旗が、パタパタと音を立てて、ずらっと並んでいたりする。

カラフルな風車が、カラカラと回っている。

軒からは歩道に広告看板が突き出ている。

歩道には、看板が立てかけてある。

スピーカーからは、ひっきりなしに、なにやら客引き声が流されている。

夜になると、広告塔が、キラキラとまぶしく、目に飛び込んでくる。

小さいものから巨大なものまで、広告映像が色鮮やかに、そして時にはまぶしく、人の目を引こうと刺激する。

これでもか、というようなどでかいネオン塔を立てる業者もある。


おろかにも、キラキラ光る広告塔に、また、どでかく輝く広告塔に、きれいだとつぶやく者がいる。


どうみても、おかしいはずなのに、いつの間にかそのおかしさに麻痺してしまうおろかさがある。

公共の空間を音や光や絵や映像で汚していっていることに気づく心は、誰によって養わせることができるのだろう。

町の美化といいながら、この無法ともいえる町の醜さとその侵食の起こっている事態を、いったい誰が教えるのだろうか。