人間は、他の生き物と同じではない。

人間は、生死をもつものとして、他の生き物と同等である。

しかし、「他の生き物とどこまでも同じか?」、というとそうではない。

人間は、「他の生き物と同じ」、というところにとどまっているかというと、そうではない。

人間を他の生き物と区別するとしたら、次のことは重要だ。

他の生き物と違って、

人間は、

「己(おのれ)」(私)というものを認識する。

「己」(自分)を、おろかなものと認識しうる。

「己」(自分)の命(いのち)を、限りあるものと認識する。

「己」(自分)を、みじめなものと認識しうる。

「己」(自分)を、ちっぽけなものと認識しうる。

それらがゆえに、
「己が命(おのがいのち)」(自分のいのち)を大事に生きねばならないと自覚する能力をもちうる。

(ただ、これらの多くは、可能態としてある。)