納得できないということ

納得できない思いをもって生きている人のなかに、幸せを得る人がいるに違いない。


納得とは、認める、承知する、という意味だ。

毎日の生活を省みれば、納得していることもあれば、納得できないこともある。

日々納得していることでも、あるときには、納得しがたくなったりもする。

納得できていると安心していられるが、納得できないと心は落ち着かず、穏やかでなくなる。

何もかもに納得できている人は、悟っている人だということもできる。

もしそうなら、大抵の人は悟れていない人ということになる。

なるほど、これは納得できる。

大抵の人は、日々、何もかもに納得できるような生き方をしていない。

世に名を知られた立派な人でも、自身の人生を、いつもいつも納得して生きたかというと、そんなことはありえない。

となると、「納得できない」がついてまわるのが、人間であり、人間の生き様だ、ということになる。

しかし、納得できないと日ごろから強く思う人もいれば、納得できないことはあっても、日々、さほど強く思わず生きる人もいる。

先の話からすると、後者の人は悟っている人のようにも思うが、大抵は軽く生きている人である。

前者の人は、生きることにけっこう苦しいだろうが、納得できないという思いを持ちつつ、まじめに生きるなら、成長する人となる。
なぜなら、努力する人といえるからだ。
こうした人は、苦悩する人であるが、人として生まれたことから考えると、幸せを得る人である。