おごりを大敵とする

私というものを傲慢にしてはいけない。

つまり、おごりには、とにかく注意しなければならない。

親としておごる者は子への慈しみを損ない、子としておごる者は親不孝をし、友としておごる者は友人からの信頼を失う。また、世間に対しておごる者は世間にあって当たり前に生きる人たちから嘲笑され、相手にされない人になる。

心に起こるおごりは、常に戒(いまし)めなければならない。

王陽明は、こうしたことで、「人生の大病はただこれ一(いつ)の傲の字なり」と言うのである。