銀行の窓口で

あるとき、銀行の窓口で客として座っておりましたときのことです。

雑誌をぺらぺらとめくっておりましたら、がなりたてている男の声が聞こえます。

背広を着た年配の紳士風の人でした。

どうも、お金を引き出す(払い戻しをする)のに時間が少しかかっていて、怒っていたようです。

そんなにがなりたてずともと思いはしましたが、その言葉の内容には考えさせられました。

彼は、このような意味のことを言っていました。
「人の金を預かって、商売しているのに、あんまり偉そうな態度をするな!」
(本当は、もっときつい言い方でしたが、内容はそうでした。)

彼の言っていた内容をその後も思い出しますが、ときに私もそう言いたい場面に出くわします。

銀行は、本当に大勢の人からお金を集めています。
その大勢の人の多くは、きっとそれほど貯蓄残高の多い人たちではありません。
しかし、何せ大勢ですから、それなりの金になります。
そして、その人たちには相変わらず0に近い金利を払っています。

一方で、銀行はそうした集めた金で他に金を貸して、金利を取って儲けを出して運営しています。

(要するに預けた者への金利支払いは、あなたのお金で商売をさせていただいてありがとうございます、という支払いです。)

銀行業に従事する者は誰でも、どのお客様にも丁寧に頭を下げて対応すべきです。
彼らの仕事と生活は、金利の差でなりたっているようなものでしょう。
お金をぐるぐる回して、利益を上げているのですから。

小金を預けて、しょっちゅうATMで出し入れしている小心者の私などは、先の男性の言葉を時には思い出して、せめて機械の前くらいでは、横柄に金を引き出そうと、機械の前に立つ前に、思いっきり胸を張るように、その後しております。
(あのATM利用手数料だって、金利に変えて計算すると、とんでもない数字になるではありませんか!)

このあたりのお金の循環システム(その循環を使ってお金を稼ぐ仕事)を、子供たちには簡単に教えられるはずですので、学校ではしっかり教えてほしいですね。(お金の教育は大切です。ひょっとして、教員たちも実感を持って知らない者が多いのかもしれない。)