映画:「くりくり」と「シネマパラダイス」

映画の話

ひとつは「クリクリのいた夏」、もうひとつは「シネマパラダイス」
どちらも心温まる映画です。

「クリクリ・・・」は、少女がであった男たちの、ある意味平凡な日常の風景の物語です。
貧しい者、お金持ちの者、年老いた人、若い女性、女の子、男の子、いろいろ出てくるが、心温まる人たちの物語です。
貧しくても、素直で心優しい人たち、こういう映画を見るとほっとします。

今の私たちは、素直な心も、心の優しさも、失いかけているような気がするのだけれど・・・。
けっして金持ちになった気はしません。
身のまわりに物がたくさんあり、その意味で豊かになったことは確かです。
でも、いつも金を求めているような。この点は、昔の人より(「クリクリ」の時代)貪欲になっているのではないかとも思います。

そういう社会で、心のやさしさとか素直な心とか、言っていられない場面が、日々の生活の中で多くなっているのかもしれません。

ちなみに、「クリクリのいた夏」はフランス映画です。

「ニュー・シネマパラダイス」、これはシチリアを舞台にした、イタリア映画です。これも、うまく説明できないのですが、心安らぐ映画です。

少年トトと映画技師の物語、あるいは少年トトの物語です。

神父とともにいるトトの姿、映画技師とトトの姿は、「けがれなき悪戯」を思い出しました。

青年トトの初恋、映画技師が間に入ったがゆえの別れ、そのための人生の成功、しかしいつまでもその女性を思い続けるトト・・・。

こんな人生もあるかもなあ、と思いました。自分の人生の、いろいろな出会いや別れのことも、ちょっと思い起こしたりしましたね。

「クリクリのいた夏」も「シネマパラダイス」も、ともにノスタルジックで、それが私には一番よいのかもしれない。でも、若い人にも、このノスタルジックのよさが、わかる人もいるみたいだからうれしい。
(「クリクリのいた夏」のことはもう忘れかけているのだけれど、「シネマパラダイス」で流れる音楽もよかったなあ。)