心と物が離れる

知識を得ようとすればするほど、

知識を得れば得るほど、

心と物が離れてしまう。

内界と外界が離れてしまう。

やがては、離れてしまっていることすら気づかなくなってしまう。

それは、厄介な病のようなものだ。

内と外とがあまり離れていない者が見れば、

病にあるらしいことを見て取れるが、

当の本人は己が病に気づかない。

しかも、それが知者なのだ。