利己的行動と利他的行動

他者に対する人の行動には、利己的行動と利他的行動がある。

こう聞けば、なるほどと思う。


しかし、人は利己的行動ばかりではその関係世界において生きていくことはできない。

また、利他的行動ばかりでも生きていくことはできない。


そこで、最初の表現を少し変えてみる。

他者に対する人の行動には、利己的行動と利他的行動の側面がある。


私たちは、いずれか一方だけの行動では生きていけないのだ。


そして、いずれか一方があまりに強くなりすぎると、不快感が生じたり、落ち着かなくなったり、緊張関係が生じたり、他の力が働いてそれを続けられなくなったりする。


それは、社会においても、個人的な人間関係においても、個人内部においても、生じてくるものだ。

私たちが古来より中庸の大切さを知っているのは、そういう経験から来たものなのだ。


人間関係には、利他的行動もあれば、利己的行動もある。そして、いずれかが強くなりすぎるのはあまりよいこととは言えない。