専門用語で普通の営みを語る

アカデミズムというのは、ふつうの暮らしから少しはなれたところにある。

だから、そこで使われる言葉(用語)は、ふつうの生活でよく使う言葉とは違っていて、専門用語などとも呼ばれる。これを、ふつうの生活に近づけて言うなら、業界用語と言ってもいい。

ふつうの暮らしの中で、ふつうの暮らしを、この専門用語で考えるようになると、その人はふつうの暮らしから遊離するようになる。そういう人たちのなかには、足が地に着いていないようにして生きる人もいたりする。

専門家でないふつうの人たちのなかには、専門用語を聞くだけで、感心してしまう人もいる。でも、本当のところを言えば、専門用語では、ふつうの生活を生きているままに語ることはできないのだ。

このあたりは、人の営みの落とし穴みたいなものだから、気をつけないといけない。