一緒にいたいってこと

まだまだ若い青年のころ、

気に入った女の子を誘おうとするとき、どこに行くかを考えるのに結構苦労した覚えがあります。

茶店でコーヒーを飲むこと、映画を見に行くこと、美術館へ行くこと、どこかの公園に行くこと、動物園に行くこと、コンサートを聴きに行くこと、酒を飲むこと、まあ、とにかくいろいろ考えるわけです。

でも、お互いが好きになってくると、相手を連れ出すために、どこに行くかってことよりも、二人で一緒にいられる時間が大事になってくる。

どこへ行ったか、そして、どんなことを話したかってことよりも、
一緒にいることだけでいいって感じになる。

でもって、いつも一緒にいられるようになると、今度は、些細な考えの違いで諍いを起こしたりすることも起こってくる。

これを乗り越えて、家庭をもって、子供を持つことができるようになると、今度は、一緒にいられさえすればいいってことなんか、ほとんど忘れてしまって、もっぱら子育てと金をつくることに負われることになる。

子供たちが独立しても、仕事をリタイヤしても、その後も、ずっと、一緒にいることだけで幸せだってことを、忘れたままでいたら、さびしいよね。

男と女の関係って、本当に不思議だと思うことがあるね。