仕事の人間関係って、こんなもの!(?)

―使える「やつ」は、使っちゃえ、の巻き―

昼下がりの喫茶店でのことだ。

私は、新聞を読みながら、一息入れていた。

隣の席では、40代半ばのスーツ男が、B5サイズのパソコンを開けて、半分仕事をしながら、別の男とおしゃべりをしている。

時に仕事の電話が入ったり、電話を入れたりしている。

近代兵器を活用して、有能そうに仕事をしているサラリーマンってところだろうか。

自分の会社に電話を入れている。
あれこれ言って、取引先からのファックスをネットで飛ばしてもらっている。

私は、耳に入ってくる声をさほど気にもせずに新聞を読んでいた。
しかし、ある時点から、私の関心は彼の声に向けられ始めた。

彼の声の調子が、変わってきたことを、私の体が感じ取ったからだ。

彼は、自分の会社に再度の電話を入れている。
送られてきたメール(取引先から会社に入ってきたファックスなのだろう)を見ながら、(どうも相手は女性社員らしいが)、別の取引会社の○○さんに○○のように連絡を入れてほしいと頼んでいる。その内容は、けっこう複雑そうだ。

そのときの声の調子が、それまでと明らかに変わったのだ。
使う言葉は、そう変化はないのだが、わずかながら低姿勢で頼む感じが、伝わってくる。
でも、さほど低姿勢と思えない言葉遣いでもある。
このあたりが本当に微妙なのだ。
でも、私の体は、この変化を感じ取っている。

彼は、同僚の女子社員(?)にあれこれ言った後、
「それじゃあ、悪いんだけれど、頼むね。すみません。」と言って、携帯を切った。

その後、彼は取引先に電話を入れる。
自分は今、外出中なのですが、うちの○○から電話が入ると思いますので、よろしくお願いします。

彼はこう言い終わると携帯を切り、
コーヒーを一口すする。

そして、目の前の男に言ったのだ。

「使える者は、うまく使うんですよ、ケケケ。」



で、私は、というと・・・
「ケッ、このやろうめ!」と、ちょっと舌打ちをして、
気をとりなおして、再び新聞を読み始めたのでした。




携帯電話というのは、会話が、周りの人の耳に筒抜けになっちゃうから、怖いのよ!
ご注意あれ!