会社一筋

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僕は
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愛する妻や子を持った
善良な一市民でしかない

野良犬や
すて猫のように
邪険にあつかわれたとしても
がまんをするしかない

だんだん角がとれ
まるくなって
川底の石のように
流れに耐えているしかない

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耐えることだけは
誰にもまけない老いた
サラリーマンが
今日も誰よりも早く
二階にある
オフィスに続いている
十三階段をのぼっていく
(谷 流水)


いろいろなサラリーマン生活があるのだろうが、
こうした終盤を生きる人も、いるのかもしれない。