夢追い人がもつ課題

「念ずれば花開く」と言った人がいる。

これについては、私もそう思う。

しかし、ただ座って念じているだけで花が開くわけではない。
それでは、そのまま朽ちるだけだ。

生活は夢の世界を生きているわけではない。まさに現実なのだ。

働かねば、収入はない。つまり、働かねば食っていけない。
社会保障制度がない時代には、たちまち物乞いをする身になるか、飢えて、野垂れ死にをするしかなかったのだ。
また、親が子をいつまでも庇護するだけの生活の余裕のない時代には、はやく親元から離れて独り立ちするか、親とともに家計を支えるかという、やはり食うための生活が待っていたのだ。

生活は、着実にしていかねばならない。
着実な生活とは、衣食住を自ら賄う生活であり、生活不安を少なくする生活の確保である。
生活不安を少なくするとは、病気になったり怪我で倒れても、大丈夫な生活を自ら築いていることである。

こうした生活を築きしつつ、夢を持ち続けることが大切なのだ。

ただ、夢をもつことと、ライフステージとの関係もあろう。
そのライフステージのなかで、一人で生活しているのか、家庭を持っているのかという生活スタイルとも、夢を持つことと生活の仕方とは関係がある。

ライフステージによっては、夢よりもより着実な生活ということの比重を極めて大きくしなければならないときがある。それは、一般的な生き方を言えば、生活重視の生き方である。
しかし、それでも夢を持ち続ける。
そういう生き方が、「念ずれば花開く」生き方への道なのだろう。