感謝の言葉を口にする

「九つまで満ち足りていて、十のうち一つだけしか不満がない時でさえ、人間はまずその不満を真っ先に口から出し、文句をいいつづけるものなのだ。自分を顧みてつくづくそう思う。なぜわたしたちは不満を後まわしにし、感謝すべきことを先に言わないだろう。」
三浦綾子さんが残している言葉とのこと。(藤尾秀昭『小さな人生論③』より))

ここで、落とし穴に落ちないように!

(確かにそうだ。)「なぜわたしたちは不満を後まわしにし、感謝すべきことを先に言わないのだろう」と考える人は、とうぶん何も変わらない。

前述の三浦綾子さんの言葉に、そうだ、そうだ、と納得して終わる人も、当分何も変わらない。変わったとしても、ほんのわずかの間だ。

もし、この言葉にうなずき、そしてもし、さらに、感謝すべきことを先に言う人間に、自分が本当になりたいと思うならば、

(大抵は、首肯して、共感するところで終わり、(そこで終わっていると気づかず)満足しているのだけれど)

日々折々に、一人でいるときに、「ありがとうございます」と、感謝の言葉を口に出すといい。

できれば、手を合わせて言うといい。

できれば、跪いて、頭を垂れて言うといい。

(くれぐれも、十のうちいくつの満足があるかなどと、考えぬように。)