のんびりと

「少しは不便でもいいから、もっとのんびりさせておいて貰いたい」

尾崎一雄氏は『まぼろしの記・虫も樹も』のなかで、そう書いているそうだ。

目をつけられると、人は、あるいは行政も、巻き込もう、巻き込もうとする。

それぞれの人が、それぞれに、それなりに、自身を発揮していけばよいのだろうに。

資源活用が、人材活用となり、ここでも人も物も同じようにされてゆく。あるいはそのように人が人をさせていく。

川の流れに譬えれば、何も流れの速いところにいなければならないことはない。

皆が、川端へ寄れば、川は広くゆったりと流れる大きな川となるはずだ。

そういう生き方を、人が人に、大切にし、自身が自身に大切にする。
そういう生き方は知に根ざすのでなく、より地に根ざした生き方になるのだろう。