過去へこだわる

自分の過去にこだわっていたのでは、自分の今を充分に生きられない。

それでは、よりよく生きられない。

過去に大いなる成功をした者も、大きな幸せを得た者も、

大いなる苦悩に打ちひしがれた者も、大きな不幸に遭遇した者も、

その過去にこだわっている者は、今を充分に生きられるはずがない。

その者の今は、過去を思うために生きているようなものだ。

生きているものは、本来、今をしか生きられないように創られている。

それなのに、人は、その小さな私で、その本来の生を歪めるのだ。

小さな私の自らが、その本来の生を歪め、好んでそうしているのだ。

好んでそうしているのに、それに気づかず、さも自分以外の何かが自分をそうしているように思うのだ。

こういう者は、自身の生への、傲慢さに気づかぬ者に違いない。

素直に生を敬えば、過去へのこだわりは消えるだろうに、自らがその生を損なう道を歩むのだ。

もったいないことだ。