生きることと学び

人間は、一生学んで生きるようにできています。

本当は、あらゆる生き物がそうだといえるのでしょうが、
人間の場合は、学ぶことを自覚して生きるようにできているのです。

ここで学ぶというのは、「自己をより成らしめるべく」学ぶ、という意味です。

そして人は、自己をより成らしめるべく学ぶということ、また、そのように生きるということを、自覚できるのです。

そうであれば、
私たちが積極的に、そうした学びを生きるというのが、より人間的な生き方をすることになります。

生きているのならば、学ばなければもったいない、とも思えます。
この与えられた生が、もったいないとも思えます。

そういう学びを、ともに喜び合える人たちがいるならば、それこそ、まさに人間らしいといえます。

そういう喜びは、他の誰かよりもえらくなろうとする喜びではありません。

それぞれが、自身の成長のために学んでいることを喜び、学び成長していることを喜ぶ人を、また喜ぶ生き方です。

このような人が自身の近くにいることは、どれほどその人を幸せにすることでしょう。
このような人がいるということを知ることは、人が、まさに困難な中にあって、しかも自身を生きようとしている人に、どれほどの自信と励みをもたらすでしょうか。

人は、一生涯、学ぶようにできています。
そのようにつくられているのです。
ならば、そのように生きるのが人の生き方です。

しかし、学びを大切に生きるのも、怠惰に生きるのも、その人次第です。
自分次第なのです。



謂うなかれ今日学ばずとも来日ありと

謂うなかれ今年学ばずとも来年ありと

日月逝きぬ 歳我と延びず

嗚呼老いぬ これ誰の愆(あやまち)ぞや

朱熹