困難との遭遇と人の生き方

人は、その人生の過程にあって、人の力ではどうすることもできないような困難事態に遭遇することがあります。

そういうなかにあって、自身の人生では、自力、自己努力の重要性を常に知っていて、そして、知っているだけではなく、それに務めなければならないのも当然のことです。

また一方で、人の力では抗しがたい大きな働きが、人の善悪を超えて生じるときがあることも知っていて、それを謙虚に受け止めることもできなければなりません。


二宮尊徳は次のように訓えています。

人は人道に立って努力することによって、個人も社会も向上しなければならない。それが人たるものの使命である。しかし、人間は弱く天道は非情であるから事志と異なって、失敗したり不幸にあったりすることもあり得る。そのときは、悟道によって、あきらめることが必要である。(cf.『久遠の道標-二宮翁夜話精説-』)