人生の困難、試練と成長

人生というものには困難はつきものだ。

そんな人生にあって、何も難儀だ、難儀だと騒ぎ立てることもあるまい。


神秘な造物主は自然を造って精神を闡明(せんめい)し、その精神によって同時に自然を展開するの妙趣を発揮した。物心は相待って自己を完成する。人格も亦、境遇と相作用して進歩するものである。随って困難な境遇は常に人格の試練を意味し、又能く人格の価値を表明する。(安岡正篤『日本精神の研究』)

これは、後に続く文面では、日本国、日本国民、日本民族、日本人に向けて述べられているのであるが、その地に綿々と生きてきた者(生きている者)はその諸々と切り離すことはできないのであるから、「個人たる者」にも向けられていると考えても差し支えはあるまい。あまり意識して考えることのなくなってきた今日であるが、元来、これらは切り離して考えられるものではない。

ここでは、個人の生き方の参考のために取り上げた。