知者必ずしも賢ならず

世にりっぱな人と目される者であっても、人間としてりっぱだと言えない者が多い。

このことはよく知っておくべきである。

政治家が世を治めるを知らず、
財界人が済民を知らず、
医者が人のいのちを知らず、
心理家が人の生くるを知らず、
教育者が人を育てるを知らず、
宗教者が人を救うを知らない。
そういう者が多いということである。

こういう者に、我が身、我が心のすべてを託してはいけない。


知にして忠ならざれば、すなわちその偽りを文(かざ)る。(忠経)