本当に学ぶということ

学んだとはどういうことか、

そういうことは職人に聞けばよく解る。

なぜなら、彼らは知識ばかりでは役に立たないことを、よく知っているからである。

しかし、その彼らも、人間をつくる学びとなると、自身の経験を生かすことができない者も多い。



本当に学んだというのは、耳や目から学んだことを心に定着させ、からだ全体にゆきわたらせることができてはじめて言えることだ。
軽薄な者になると、耳目から学んだことを、すぐ口から出してしまう。口と耳目との距離はわずかに4寸ほどだ。これでは、7尺のからだ全体にゆきわたらせることはできない。
(参照:杉本達夫『荀子』)