愚かな人間は宝に気づかない

愚かな人間は、自分のなかにあるすばらしい宝に気がつかない。

容易に理解できることだが、
これは、愚かな人間には自分のなかに宝といえるものがない、と言っているのではない。

それぞれの人間にはそれぞれにすばらしい宝がある、と信じているから、言っているのだ。

そして、愚かだから、その宝に気がつかないと言っているのだ。

愚かというのは、見えるものが見えなくなっているから、愚かなのだ。

他のものに心を奪われているから、愚かなのだ。

己(おのれ)を見ないで、いったい、お前はなにを見ているのか、ということだ。

己を信じずに、信ずべきものをどこに見い出して、生きようとしているのか、と言っているのだ。