大地に足を据えて生きる

高度な経済成長を遂げた社会に生きています。

物に満ちた世界に生きています。

情報の溢れた社会に生きています。

欲求を煽る社会に生きています。

豊かさのなかに生きています。

身奇麗に生きています。

常に、転落することを怖れて、生きています。

自分の足が、地に着いているのかどうかさえ不確かな感じで生きています。

質素に生きなければ、本当は、足を地につけられないのかもしれません。

常に、生きているもののいのちをいただきながら生きていることを思って生きなければ、地を忘れてしまうのかもしれません。

豊かさの中で、豊かさを失わず、地を耕し、喜びをもって生きる人間の生き方とはどういうものか、
私たちは問い続けなければならないのかもしれません。



「やせてひ弱そうで、貧しい食物で重労働をする彼らを見ていたら、そしてそんな彼らが歌い、笑い、健康であることを知ったら、なんだかこの国ネパールのこの山村が私の故郷のような気分になり、また、こんな生活でも楽しくやっていけそうな感じがし、生きている人々のいきいきした生き方とはこんなものではないのだろうかなどと考えました。」(今井通子「生命力は自然に近いところで」より)