欲求を受け入れて活かすこと

人は快を求める。

それは、何も人間だけではない。

それは、生きるものが生きていくことの、その根源につながるものだ。

人は、官能を求める、と言っても、それは同じだ。

人には、欲求があり、その心身はその欲求を実現しようと働く。

その働きや欲求を否定しようとするなど、笑止千万だ。

その働きや欲求がすでに無いかのように嘯(うそぶ)く者がいるならば、そういう者を信頼してはいけない。

私たちは、私たちの心のうちに、快を求める欲求があることを認め、受け入れなければならない。

内なる自然の事実を否定しないことだ。

しかし、ここにもう一つ肝心なことがある。

それは、その欲求を活かすということだ。

それは、もう一つの少し高次な本能である克己(こっき)を働かすこと、また、成ろうとする根本的な力を働かすことだ。