責任の取り方と逃げ方

責任のとり方にもいろいろあるが、これは責任の取り方ではなくて、逃げ方の話だな。

逃げ方と責任とをどう関連させるかというと、「責任をとって辞任いたします」というやつだ。

責任のとり方にもいろいろあるな。

自害をして、責任を取る人もいるな。昔、武士は切腹なんぞをしたな。
しかし、今の時代では、こういう責任の取り方は、気の毒がられてもほめられないな。

職を辞するという責任のとり方もあるな。これなどは、知る人は彼の人を少しは尊敬するかもしれない。

任を辞するというのがあるな。これなどは、自らがミスをしたのでないのなら、問題解決を図ることこそ、その任を遂行することになるのだから、見え見えの逃げになるな。

何から逃げるかというと、簡単に言えば、厄介な問題から逃げるということだな。

トップがやったのだから、その下のものが私もそうしますと言っても、トップもえらそうなことは言えんだろうしな。

そんなわけで、責任を取ると言って、体よく逃げを打つということになるのだな。

まあ、尻尾を切って逃げるやり方と言ってもいい。

元○○だと言って、権力やもろもろの恩恵をあとでしっかり得られるのだったら、さっさと逃げを打つに限るということでもあるな。

こうした見え見えの逃げ上手な人間がどうも増えてきているようだな。

近頃では国の舵取りをする人間を筆頭に、巷の小さな人間集団の中にも見られるな。

それらは、わがままで、何よりも自分を優先する輩だが、こういう社会では、全うに生きようとする者はいくら命があっても足りないから、したたかさをしっかり学んでおかなければならないのだよな。