仕事と人生と年齢と

ある程度にしっかりした職場で仕事をしていると、年齢と共に、実戦部隊から、後方部隊へまわされるようになる。管理とか、運営とか、要するに組織のマネージメントの仕事が多くなる。しかも、マネージメントそのものではない考えるだけの仕事、文書に目を通して判を押す仕事、そして会議への出席や会議を取り仕切る仕事なども出てくる。そうなってくると、どうなるか?

藤原和博さんは、こう書いている。

企業の中では一般的に、偉くなればなるほど本来の自分の“シゴト”から遠ざかってゆく。・・・一見矛盾しているようだが、部下を預かって大きな部隊を率いれば率いるほど、自分がしたいシゴトを自分ではできなくなる。できるだけ部下に任せて、その育成を図るのが上位の管理職の仕事だからだ。・・・会議に出れば出るほど、自分の本当のテーマを追う“シゴト”をする時間がなくなってしまう。できる人ほど偉くなる。偉くなるほど、本来の“シゴト"をする時間が減る。会議の進め方は上手になっても、どんどん“シゴト"のできない人になる。これが仕事と組織のパラドックスの正体だ。・・・組織の中では、権力を得る代わりに本来の“ジブン"が失われてゆく。


このあと、藤原さんは、なんと書いているかというと、

「それでも“上司”やりますか?」である。


たいていの人は、「はい」、「上司にならせていただきます」、だろう。


考え方や人生の選択は人それぞれだが、藤原さんが書いていることは、ある環境においてはまちがいのない事実である。

覚えておくべきは、
自分らしく生きるとなると、人生のこういうところでも、難しい局面が出てくるということでありましょう。