時間(泥棒)

ミヒャエル・エンデの書いたものだと思うが、『モモ』という本がある。
あれに、灰色の男たち、時間泥棒が出てくるのだ。

ああ、一番嫌がっていたはずなのに、そして警戒もしていたはずなのに、いつの間にか、やられっちまった!

そして、
いつも、いそがしい、いそがしい・・・、と思っている自分が、ここにある。

この病にかかったら、頭では、その問題をわかっているのだが、容易にこの呪縛を解くことができない。
時間があっても、忙しいのだ。

手先になっている者は、健康的に見える。
本当は、蝕まれているはずなのだが、彼らはわれわれとは違う、別のエネルギーを吸収して生きられているようだ。

引きずり込まれている者の中には、やがて健康を害する者も出てきている。
様々な形で、彼ら(彼女たち)は心身の不調を訴えるようになってきている。

おかしな行動をとる者も出てきている。

抗っている者もいるが、あまりにも相手のエネルギーが大きすぎる。
叩き潰されてしまう。

逃走する者も、現れている。

時勢が、彼ら、灰色の男たちに大きく味方しているのだ。
もちろん、彼らは時勢につくられているのではあるが・・・。

しかし、このままでいくと、やがてシステムに支障が生じることになるだろう。
それでも、補修、補修をしながら、このシステムが機能し続けるのだ。

このシステムは、どのような形で、破綻するのだろうか。

もう、元に戻ることは難しいように思うがどうだろうか。

最もよい身を守る方法は、何か!
身を守るというよりも、逃れることだろうか。

わずかの人間が取り組むには、ことが大きすぎる。

せめて、自分の身だけでも、守る術を持たずばなるまい。

欲を捨てることから始めねばならないが、独り身であればともかく、家族を持つ身であれば、簡単にはいかない。

逃れることが当面できないのなら、
巧みに生きていく術が、必要だ。

灰色の男たちになりすまして、
とろい灰色の男となって、
当面を生き抜くという方法で、
とりあえずは、しのがねばならないだろうか。

きわめて、巧みに・・・。