人間が丸くなる

最初は、角があるのかどうか、よくわからないのだけれど、
十代では、角だらけだ。触った相手を傷つけるほどに。

人間関係が複雑になると、角も取れてくる。

でも、逃げるところがあるうちは、角も取れにくい。

働き始めると、そうそう逃げるところもないので、あちらに当たり、こちらに当たりで、角も取れてくるのだろう。

角が取れても、芯まで侵食されることはないように思うのだが、やがて、芯がないような人間も現れる。

芯を巧みに隠しているのかもしれないが、これも悲しい姿だ。

適当に丸くなるのはよいけれど、自分を見失うと、人生もさびしいものになる。

まあ、ほどほどに丸く、そして臨機応変に角の取れた姿を現すこと、
  こういうことができる人は、巧みな人と言えるのだろう。