苦しみとの遭遇

この世の中には悪魔がいる。
ピアニストのフジ子・ヘミングさんは、確かご自身の人生を振り返るなかでそのように言っていたと思います。

もちろんこの世に悪魔が実在して、その悪魔に出会ったというわけではないでしょう。
言っている意味は、人生ではとんでもない思わぬ苦難に、降って湧いたかのように遭遇するということでしょう。
大きな苦難は、人生の歩みのなかで、誰にでも必ず一度は起こります。人によったら、それは二度以上起こります。
それは、例えば、死んでしまうことばかり考えしまうような苦難の状況です。
しかし、大抵の人は死の危険から必ず脱します。そうでなければ人類なんてとっくに滅んでいるでしょうから。
フジ子・ヘミングさんも大変な苦難に遭遇したようです。そして、それを乗り越えたのでしょう。
人生途上の大きな困難をどう乗り越えるかについては、一つの大正解の方法はありません。
全ての人間が必ず経験するのですから、乗り越える唯一の方法があるなら、人類はとっくにその方法を明示しているはずです。そして教えられるでしょう。でも、それはない!
思うに、乗り越える方法(乗り越えられた理由)は一つではなく必ず二つ以上あります。そして、そのうちの必ずある一つというものがあります。
それは、我慢とか辛抱とか忍耐とかと言われるものです。
なんだ!と言われるかも知れませんが、これは必ず大なり小なり必要なものです。
残りは一つあるいはそれ以上です。