人は一つの小天地であるので

平平常常、その中にこそ無窮の妙処がそなわっているのです。
人は一つの小天地ですから、天地に似ないところがあるならば、正しい道から反れた歩みをしているのでしょう。
正しく、自らの生を生きようとするならば、天地生々の徳を体認すべく在らねばなりません。
落ち着かないというのは、他の生けるものと同様に、自身もまた絶えず、已むことなく進展するものであるのに、その真の主体を謙虚に、そのままに生きられていないからなのでしょう。
(参考:池田草庵に寄せた楠本碩水の言)