人生を変える

「自身が人生でおこなった良いことは、すべて作用を引き起こす。自身がおこなう悪事も、作用を引き起こす。人生の通帳があって、貸し借りが記入される。人間はいつも決算をすることができる。決算をしたら、それが自身の運命になる」
これは、なにか融通がきかないもののように思われるかもしれない。しかし、そうではない。新しい取引をすると、帳尻は変わってくる。そのように、新しい行為は運命を変えるのである。
「新しく取引をすると、帳尻がややこしくなる。だから、わたしはなにも取引をしない」という商人はいない。
帳簿がややこしくなるからといって、商人が新しい取引をしないということがないように、わたしたちも新しい行為を人生のバランスシートに記入することをためらってはならない。
シュタイナー『神智学の門前にて』
(「自身」としているところは、訳書では「わたし」となっています。)


運命という言葉はたいへん大きなものですが、ここでは「運命を変える」あるいは「人生を変える」ことができるとしています。
そして、「(新しい)行為」がそれを変えるとしています。

してみれば、しなければ始まらないということでもあります。

また、その「(新しい)行為」をするかどうかは、その人自身です。
それをする自分になるということは、それまでの自分と少し変わる自分になるということでもあります。

自分が変わらねばならないということでもありますが、
新しい行為をすることで自分を変えるということでもありましょう。

いずれがやりやすいか、考えやすいかは、人によって異なります。
いずれでもよいのです。

要は、「変わる」のだということです。

そして、「変えられる」ということであり、

ならば、「変える」ということでしょう。

人生を、あるいは自分を、「変える」あるいは「変わる」ということでいえば、以上のような説明ができます。


一方これを、自ずと「変わる」ということでいえば、

「日々に新たなり」という生き方も同じです。


いずれにしても、自身が創造的な存在であることを忘れてはいけません。