人のために

人々のために役立つことを思い立ち、色々やって来たが、やればやるほど心中寂寥の感があるのを如何ともすることができない。何故か。(岡田武彦『陽明学つれづれ草』

この寂寥感を、何故と答えようか。

人のためとは、そもそもそこに己の傲慢があると言うべきなのか。

では、己のためだと考えればどうか。

それはそれで、己の欲ということになるのだろうか。

そもそもが、人のためとか己のためとか、何者かのためというところに問題があるのだろう。

我々には「やむにやまれぬ思い」というものがある。