自分中心と己中心

人に求め、人を正し、人を知り、人に勝つ。

これは、自分中心の生き方、考え方だ。

己に求め、己を正し、己を知り、己に勝つ。

これは、己(おのれ)中心の生き方、考え方だ。

自分中心というのは、外物中心と考えることもできる。
それは、表層的だ。
いつも自分の外にあるものによって自分を成り立たそうとしているものだ。
ここに得られるのは一時的な喜びだ。一時的な安心だ。そうして空虚な満足だ。
いくたび喜んでも、まもなくむなしさを覚える喜びなのだ。

己中心というのは、生きるにおいて、
地位も、名誉も、賞賛も、財産も、自分を飾る見栄えのものも、全部取り去った後に残る己自身から考え、そしてそこに帰結する生き方だ。

そこにあるのは喜びと自信、己が人生を満たす思いと成長感だ。